2011年に起きた東日本大震災は、多くの尊い命を奪い、宮古市にも大きな被害をもたらしました。私たちの地域の先輩たちは、災害の苦しみや悲しみをどう乗り越え、未来に向けて歩き出したのか、当時、中学生・高校生だった先輩たちの様子を伝える新聞記事や作文を読んでみましょう。
宮古市立田老第一中学校在籍時、「わたしの主張」宮古地区大会で受賞した加藤諒太さんは、作文に書いた復興への思いやふるさとを思う気持ちを大事にし、現在、消防士としてまちの安全と防災に努めています。
震災から6年後の
コメント
「“命てんでんこ”を地元外の人にも伝えていきたい」
私は、東日本大震災津波を経験して、人の命を助ける仕事に就きたいという希望をかなえて、現在、宮古消防署に勤めています。消防士は、生きるか死ぬかの狭間である現場に立ち会う機会も多く、改めて命の大切さを実感しています。
地元に伝わり、守り伝え続けてきた地元の知恵である“命てんでんこ”の教えを、これからもたくさんの人に伝えていきたいという気持ちは今も変わっていません。消防士になって終わりではなく、これからどう地元の役に立つかが問題だと思います。自然災害が起きたときにも役に立てる消防士として、自分自身、成長していきたいと思っています。
(岩手県「いわて震災津波アーカイブ〜希望~」より転載)
「広報みやこ」No.183・平成25年4月1日号より転載
高校進学後に、震災を経験した当時を振り返り、その時の思いなどを書いた作文で最高賞を受賞した上山凌さん。震災から学んだ教訓を胸に刻み、被災地であるふるさとのまちづくりに思いをはせ、自分も糧になりたいとつづっています。
宮古市はこれまで、さまざまな地震災害や風水害・土砂災害などを経験してきました。当時の児童・生徒が残してくれた作文や文集を読むと、その時、何が起こったのか、災害に対して何を思い感じたのかを知ることができます。