2016(平成28年) 8月30日平成28年台風第10号

発生日時
2016(平成28)年8月30日
被災地
岩手県(宮古市、久慈市、岩泉町)、北海道等

気象庁が1951年に統計を開始して以来、初めて東北太平洋側に上陸した台風第10号は、八丈島の東海上で発生し、8月30日17時半頃には暴風域を伴ったまま岩手県大船渡市付近に上陸し、東北地方を通過して北海道の西の日本海に抜けるという特異な進路をたどりました。
宮古市、久慈市では1時間に80ミリの猛烈な雨となり、北海道上士幌町では平年の8月1か月の降水量を超える329ミリを観測。宮古市では最大瞬間風速が37.7メートルの暴風も記録。河川の氾濫、道路の途絶による集落の孤立、土砂災害の発生など甚大な被害をもたらしました。

(内閣府防災情報「平成28年台風第10号による被害状況等について」(平成28年9月1日))
(盛岡地方気象台発表「岩手県災害時気象資料/平成28年台風第10号による大雨と暴風、波浪」(平成28年9月2日))

気象庁統計開始以来、初めて東北太平洋岸に上陸

地上天気図と気象衛星画像(赤外画像)8月30日18時
(大船渡市付近に上陸した直後)

降水量分布図 8月29日0時から8月31日12時までの総降水量(単位:mm)

主な地点の降水量の時系列図

宮古市ほか3市町を激甚災害局地指定

政府は、宮古市の他、岩泉町、久慈市、北海道富良野町の4市町を局地激甚災害に指定しました。県内では死者24名、住家被害約 4,300棟、被害額約1,440億円と、水害による被害額では過去最大となり、道路の損壊等により最大で535世帯、1,093人が孤立。土砂災害の発生件数は155件にも及び、岩泉町ではグループホームが被災し、入所者9名が全員亡くなる等、高齢者の被災が顕著でした。

(岩手県「平成28年台風第10号に伴う被害等の状況について」(平成28年10月26日現在))

※激甚災害制度:地方財政の負担を緩和するため、国が特別の財政援助・助成を行う制度。激甚災害指定基準による指定(いわゆる「本激」)が地域を特定せず、災害そのものを指定するのに対し、局地激甚災害指定基準(局激)は市町村単位で災害を指定。

市町村名 久慈市 洋野町 軽米町 宮古市 岩泉町 釜石市 遠野市 大槌町 合計
土石流等 6 0 0 18 116 1 5 0 146
がけ崩れ 1 1 2 0 4 0 0 1 9
合計 7 1 2 18 120 1 5 1 155

岩手県の土砂災害発生箇所数(岩手県県土整備部 砂防災害課発表、平成28年10月31日現在)

宮古市から市民の皆さんへのメッセージ

(「広報みやこ」台風10号支援関連特別号、平成28年9月15日発行)