明治以降の大津波(概要)

明治三陸地震津波 昭和三陸地震津波 1960年チリ地震津波 東日本大震災
発生日・時刻 1896年(明治29年)
6月15日 19時32分
1933年(昭和8年)
3月3日 2時30分
1960年(昭和35年)
5月22日 15時11分(現地時間)
2011年(平成23年)
3月11日 14時46分
地震規模 M 8.2~8.5 M 8.1 M 9.5 M 9.0
最大震度 震度4
(秋田県仙北郡など)
震度5
(北海道から静岡県までの太平洋岸)
日本では地震は無し
(現地:震度6相当)
震度7
(宮城県栗原市)
宮古市の
震度
震度2~3 震度5 震度5強:茂市
震度5弱:五月町、鍬ヶ崎、長沢、田老、川井、門馬田代
最大津波
遡上高
(そじょうだか)
綾里湾
(現:大船渡市)38.2m
綾里湾
(現:大船渡市)28.7m
宮古湾
6.3m
・大船渡市綾里湾 40.1m
・宮古市重茂姉吉地区 40.5m
(全国津波合同調査グループ発表)
宮古市の
津波遡上高
・女遊戸19.8m
・田老16.8m
・姉吉16.6m
・姉吉18.2m
・田老9.6m
・女遊戸8.2m
津波浸水高(T.P.上)
・金浜5.6m
・田老4.3m
・重茂姉吉地区40.5m
(学術合同調査グループ発表)
・田老小堀内地区37.9m
(東大地震研究所発表)
死傷者数
(国内)
死者:21,915人
行方不明者:44人
負傷者:4,398人
死者:1,522人
行方不明者:1,542人
負傷者:12,053人
死者:119人
行方不明者:20人
負傷者:872人
(1960年7月6日警察庁調べ)
死者:15,900人
行方不明者:2,523人
負傷者:
(2022年3月9日 警察庁発表)
地震津波の特徴 震度が小さいにもかかわらず、大きな津波を引き起こす「津波地震」。宮古測候所の地震計は5分間の揺れを記録するが、各地の震度は2~3程度だった。 明治三陸地震津波と同様に、地震による被害は少なかったものの、強い上下動により発生した大津波が襲来した。 日本を襲った、明治以後最大の「遠地津波」。チリ沿岸では20m超の津波で、22時間後には太平洋を横断し日本に到達した。 マグニチュード9.0の日本観測史上最大の地震で、世界でも1900年以降4番目の巨大地震だった。大地震による大規模な災害だったため、1923年の関東大震災、1995年の阪神・淡路大震災と並び、大震災と呼称される。

(内閣府「防災情報」ホームページおよび国土交通省ホームページを基に作成・編集)
※宮古市の震度、津波の高さについては「宮古市総合ハザードマップ2018」、「東日本大震災宮古市の記録 第1巻《津波史編》」より抜粋。

津波浸水高 (T.P.上)

(単位m)

地名 湾名 明治三陸地震津波
※1
昭和三陸地震津波
※1
1960年チリ地震津波
※1
東日本大震災
※2
摘要
田老 14.6 6.4 4.3 7.1~14.7 小さいU字形
宮古 宮古湾 9.1 8.2 2.0 女遊戸 12.0~18.0
中の浜15.0~24.6
中心市街地 3.3~5.2
大きい湾
金浜 宮古湾 6.3 3.5 5.6 10.8~13.0 大きい湾
重茂姉吉 山田湾湾口 18.8 14.0 3.0 重茂千鶏 14.0~31.2
重茂石浜 20.0~26.0
小さいV字形

出典
※1 災害関係行政資料等整備調査委員会(1984年)「岩手県災害関係行政資料Ⅰ」(宮古市(2014年)「東日本大震災宮古市の記録」第1巻より転載) ※2 国土交通省(2011年)「津波被災市街地復興手法検討調査 宮古市調査総括表」

明治・昭和・チリ・東日本大震災の津波浸水域を見る

人的被害

明治三陸地震津波
※1
昭和三陸地震津波
※2
1960年チリ地震津波
※3
東日本大震災津波
※4
田老村 崎山村 宮古町 鍬ケ崎町 磯鶏村 津軽石村 重茂村 田老村 崎山村 宮古町 磯鶏村 津軽石村 重茂村 田老町 宮古市 宮古市
人口 3,747 981 5,157 3,459 1,996 2,618 1,493 4,983 1,297 18,277 2,958 3,806 2,311 8,321 81,093 59,636
死者・行方不明者 2,655 160 12 100 90 3 700 911 45 4 3 174 1 517
負傷者 277 12 未詳 33 54 1 33 122 1 5 6 10
総戸数 666 155 993 701 365 434 236 835 166 3,184 368 511 321 1,607 16,147 24,205
流失
家屋
130 45 20 300 109 8 159 500 1 4 7 3 50 0 76
倒壊 全壊 14 4 6 36 2,677
半壊 1 1 14 29 6 70 1,328
浸水 床上 6 14 16 8 6 213
床下 2 2 20 33 345

1960年チリ地震津波において、田老町の人的被害と家屋被害は、出典である「岩手県災害関係行政資料Ⅰ」には記載されていない。
水産、農林畜産関係の被害は記録されている。

出典
※1 中央気象台「明治29年地震報告」
※2 中央気象台「験震時報第七巻」「昭和八年三月三日 三陸沖強震及津浪報告」盛岡測候所報告による
※3 災害関係行政資料等整備調査委員会(1984年)「岩手県災害関係行政資料Ⅰ」
(人口および総戸数は「宮古市の統計 平成30年版」より抽出)
※4  宮古市(2020年)「東日本大震災からの復興~これまでの9年間と今後の取り組み~」
(人口および総戸数は「住民基本台帳年報」(平成23年3月31日現在)の数)
※(※1 )~(※3)は宮古市(2014年)「東日本大震災宮古市の記録」第1巻より転載